ぬか床ってすぐに漬けられないの?
ぬか床作りのワークショップをしていると驚かれている方が多いですね。
一般的にぬか床作りをする際は捨て漬けという工程を挟みます。
目次
ぬか床作りスタートに必須!捨て漬けとは?
まだぬか床が発酵していないスタート、初期の時期にやる工程です。
米ぬかから一から作るぬか床の中にはまだまだ菌が少ない状況なのです。
この菌を増殖させるために菌の餌である多糖類である食物繊維、
つまりぬか床内に野菜を与えることが必要になってきます。
捨て漬けとして使う野菜は例えばこのようなものです。
- 大根の頭・葉
- キャベツの芯・葉
そして一般的に、 これらの野菜をぬか床に漬け、3日から一週間ほど漬けます。(時期によって期間は変わります。)
捨て漬けした野菜は取り出しましょう。
そして、また、同じように野菜を漬けてあげるのです。
ぬか床の状態によって変わりますが、捨て漬けはだいたい2回行います。
そのため、捨て漬けの期間はだいたい1週間から2週間。
この捨て漬けの期間が終われば、ぬか床にご自身の漬けたかったものを漬けていきましょう。
捨て漬けに終わりはない?ぬか床の熟成とは
このようにぬか床内の菌を増やす期間を捨て漬けの期間と言います。
ただ、捨て漬けを2週間したからと言って捨て漬けの期間が終わったとも言いきれないのです。
なぜなら、発酵は進み続けている段階で、あくまで捨て漬けが終わったすぐの時期はぬか床にとって初期の初期であるからです。
そのため初期のぬか床は塩分が強く、酸味があまりありません。
野菜を漬けていくにしたがって発酵が進み、ぬか床独特の酸味が生まれ、大体、1ヶ月ほどで安定してくると言われています。
ただ、人によってはまだ酸味が足りない!という方もいらっしゃるかもしれません。その場合は、引き続き、菌のエサである野菜を漬けてあげてください。いわゆる捨て漬けとも言えますね。
そのため、捨て漬けというのはぬか床にとってみれば、終わりがないとも言えます。
ぬか床独特の酸味を出すために発酵の要となるのが捨て漬けです。
捨て漬けしなくてもいいぬか床?簡単ぬか床キット
捨て漬けしなくていい、ぬか床キットを買いました
このようなお声も最近よく聞きます。
店頭に並んでいるぬか床キットの商品は、すでに熟成しているぬか床キットが多いように思います。
このような商品は、すでに捨て漬けの期間を経ており、その日のうちに野菜を漬けられ、ぬか漬けにすることができるようなキットです。
ぬか床作りの醍醐味?変化が著しい!捨て漬け期間
ただ一方で、
自分自身の手でぬか床を育てる!
発酵の過程を体感したい!
そんな方には、ぬか床初期の捨て漬けの期間をぜひ体感してみてください。
なぜなら、この期間が一番ぬか床の変化が激しいのです。
暖かいところに置いておくと
- ぬか床が膨張し、膨らんでいく様子
- ぬか床内にガスが出ている様子
- ぬか床の匂いの違い
- ぬか床のあたたかさ
などなど。
ぬか床の中の菌がよく動いて変化していく様子がよくわかります。
このような菌の働きを目で見て、触り、においで感じることができるのもぬか床作りの魅力です。
我が子の0歳児期間?捨て漬け期間は見逃せない驚きと愛が深まる時期
いかがでしたでしょうか?
一見面倒くさいように思われる捨て漬け期間。
ぬか床作りの最初の時期は、ぬか床の熟成のためにも非常に大切。
そして最も変化が現れやすい時期です。
人間で言うと、0歳児の赤ちゃんの時期。1秒たりとも見逃せない、刻一刻と成長している時期になります。
この時期の赤ちゃんの様子を見ていると、驚き・発見・そして愛着が増しますよね。
そのため、人間と同じように、ぬか床ベイビーな時期の捨て漬け時期を共に過ごすことによってぬか床に対する愛着も増すのではないでしょうか。
是非皆さんも捨て漬けから始めてみませんか?