暖かくかくなる季節。こんなご疑問をいただきました。
皆さんの中でも、暖かくなってきて、ぬか床の管理が心配、、、。という方多いのではないでしょうか?
でも、大丈夫。以下のことを抑えておけばぬか床作りの夏を乗り越えることができます!
目次
ぬか床に最適な温度は?
そもそも、ぬか床に最適な温度は何度なのでしょうか?
実は、ぬか床に最適な温度は20〜25度
と言われています。
これは、ぬか床研究の今井先生が遺してくださった論文にて教授されています。
糠みそ床の香気成分の生成に関する微生物の温度の影響
今井正武著 日本食品低温保存学会誌 Vol.21 1995
25度以上になると、死滅してしまう菌も発生するとともに、腐敗菌の増殖がしやすい状況になってしまうのです。
また、過剰格好する危険性もあります。過剰発酵して産膜酵母が張ったまま、ぬか床を混ぜないでいると、セメダイン臭、アンモニア臭が発生します。
そのような匂いになると、味も苦味などを伴うようになってしまいます。
そのため、25度以上になる可能性がある夏あたりはぬか床にとっては、最も管理が重要になってくる季節なのです。
ただ、逆を言えば、この季節を乗り越えられるようでしたら、どんな季節も乗り越えられ、何年でも管理できるようになります。
ぜひ、チャレンジしてみましょう!
①暑い時のぬか床は混ぜる頻度を増やす
気温が高いと、ぬか床は産膜酵母が張りやすい状態となります。産膜酵母が張ったままの状態を放置すると、セメダイン臭・アンモニア臭が発生しますので、混ぜることが大切です。
混ぜるという行為は、ぬか床内の好気性菌と嫌気性菌の死滅を促します。つまり、好気性菌は、空気が好きなので、ぬか床下部の空気のない所へ、嫌気性菌は、空気が嫌いなので、空気のあるぬか床の上部へ入れ替えるイメージです。
そうすることにより、過剰発酵を防ぐ、つまりぬか床内のある一定の菌の過剰な増殖を抑えるということです。
ぬか床内は、バランスが大切です。ぬか床にとって美味しいバランスを維持するために、混ぜるという行為を怠らないようにしましょう。
目安としては、25度以上であれば、1日1回〜2回混ぜる必要があります。ご家庭のぬか床の産膜酵母の張り具合をみて、調整しましょう。
暑い時のぬか床は産膜酵母を放置させない
暖かい季節を乗り切るためには、産膜酵母が発生しやすいです。そのため、次の発酵段階に移り、セメダイン臭・アルコール臭が感じられる前に、混ぜてあげましょう。
②暑い時のぬか床に抗菌作用があるものを加える
一つは発酵の度合いを抑えるためにぬか床内に抗菌作用があるものを加えてあげます。
例えば、唐辛子や和がらし、山椒の実を入れることが有効です。
山椒の実は、6月に出回るので、その季節にまとめ買いをしておくといいです。
③暑い時のぬか床に塩を加える
漬物の原理をご存知でしょうか?塩蔵という方法で、塩によって、腐敗菌の増殖を抑制しているのです。
このように、塩を加えることによって、気温が高い中でも発酵をある程度抑えることができます。
ただ、塩の入れすぎには注意してください。逆に、良い菌の発酵も抑制され、元気がなくなり、腐敗菌の増殖を促してしまう可能性があります。
なので、目安としては、塩ひとつまみです。とりあえずパラパラと入れてみて、様子をみてください。
TOCOTOおすすめは、釜焚き海塩 萩の塩です。
海水を直火で40時間焚いているので、自然界のバランスそのままに栄養を摂取できます。また、岩塩などと比べ、溶けやすく、ぬか床に扱いやすいです。
また、甘みが欲しい方も多いと思いますが、このお塩はマグネシウムが多いので、丸みと甘みが強いお塩となっています。
④暑い時のぬか床を気温の低い場所へ移動させる
25度以上はぬか床にとっては暑いので、涼しい・気温の低い場所に移動させましょう。保冷バックに入れるなどもいいですね。
冷蔵庫に入れてもいいです。
ただ、冷蔵庫は最終手段と捉えてください。冷蔵庫に入れっぱなしでは、発酵が抑制されすぎるので、オススメは、昼間だけ冷蔵庫に入れるなどするといいです。
何故ならば、家庭の冷蔵庫の温度は1〜2度ほどでぬか床にとっては寒すぎる環境で発酵が一時停止しているような状況になるのです。
ただ、気温の低い場所へ移動させようと思って、冷蔵庫に入れっぱなしにすると、乳酸菌などのぬか床にとって美味しくする役割のある菌の活動も止まってしまう可能性があります。
そのため、1〜2週間に1回は、冷蔵庫から出してあげて混ぜてあげると、ぬか床内の菌のバランスが保たれたまま、菌が元気になるので、そのようなことに気をつけてあげるといいです。
ちなみに、私はタッパーサイズでも、昨年は1回ぐらいしか冷蔵庫に入れてませんでした。熟練されてる方は入れていない方が多いです。
ただ、気温が高いまま、ぬか床に漬けると、ぬか漬け自体が酸っぱくなりすぎる可能性があるので、漬け時間はいつもより短めがおすすめです。
【まとめ】自分のライフスタイルに合わせてぬか床と付き合おう
暑い季節を乗り越えるための方法をまとめると以下になります。
- 混ぜる回数を増やす
- 抗菌作用のあるものを加える
- 塩を加える
- 気温の低い場所へ移動させる
ぬか床ちゃんへのお世話にどれだけかけられるか、皆さんのライフスタイルと相談して、ぬか床との生活を楽しみましょう。
TOCOTOでは、300年の歴史ある漬物屋うまもんのノウハウから、ぬか床と仲良く過ごすための情報をお伝えしています。
また、TOCOTOこだわり、菌が20倍以上育つ自然栽培ぬか床キットもご用意しています。ぜひ、菌ちゃんとお互いに豊かな発酵生活をおくりましょう。