ぬか床初心者の人からよく聞くぬか床を失敗しがちなポイントをまとめていきます。
目次
そもそも、ぬか床における失敗とは?
- 白い膜が張った
- 変なにおいがする
- 青カビがでてきた
- 味が酸っぱい
- ぬか床が苦い
などなど色々あります。
でも、実はこれ全て解決できるのです!
つまり、ぬか床における失敗はない!?のです。
それぞれの対処法は記事をご覧ください。
ただ、最も危険なことは食中毒を起こしてしまう事。
せっかく菌の力で体をよくしてもらおうと思ったのに、お腹を壊しては残念ですよね。そして、食中毒の危険が高いのは青カビ。
つまり、腐敗菌の増殖です。
そのため、この記事では腐敗菌を増殖させてしまうポイントをまとめていきます。
腐敗菌が増殖する仕組み
青カビなどがいわゆる腐敗菌です。
腐敗菌は環境細菌(空気中や手などの環境)の一部であり、どこからともなく、ぬか床内に侵入してしまうものです。
そのため、ぬか床内には環境細菌がある一定存在しており、その中に腐敗菌が混じっていることが多いのです。
そこで、重要なことは腐敗菌を増殖させないことです。
増殖させないポイントとして以下が重要です。
- ぬか床にとって良い菌がある程度増殖している
- 腐敗菌を抑制する環境にする
乳酸菌を代表する発酵菌がぬか床内のバランスの中で優位であること、
そして、腐敗菌が増殖しにくいぬか床を作ってあげることです。
では、具体的には、どのようなことに注意すればいいのでしょうか?
これから、説明していきます。
①ぬか床の混ぜ忘れ
ぬか床を混ぜ忘れることは青カビが生える一番の要因です。
混ぜないことによって、腐敗菌にとって心地よい環境のままになってしまった結果、腐敗菌の増殖を許してしまうということなのです。
習慣的にぬか床を混ぜることが難しい方へ
現代社会において、家事や育児、仕事などで家での時間がない人も多いと思います。
混ぜ続けることは困難なのでしょうか?
いやいや、意外に忙しい人だからこそ、ぬか床を取り入れることによって豊かになった、とおっしゃってくださっています。
簡単に言えば、
- 目につく場所にぬか床を置く
- ぬか床を混ぜるタイミングを決める
以上を実践すればと混ぜ忘れは極端に減ります。
それでもぬか床を混ぜ忘れそうな方へ
冷蔵庫保管でも安心なぬか床作りをお教えします。
実は、冷蔵庫に入れっぱなしでは菌の活動が阻害されてしまい、充分に発酵できていない状態にもなってしまうのです。
- ぬか床をしっかり発酵させた状態で冷蔵庫に入れる
- 1~2週間に1回はぬか床を常温に出して混ぜる
以上を注意すれば良いのですが、できればオススメは冷蔵庫保管ではなく、常温で保つことです。
②ぬか床の塩不足
塩は入れなくてもいいと思っている方も多いと思います。
しかしお漬物というのはもともと塩を加える塩蔵によって保たれているものがほとんどです。
それはぬか床も同じことです。
塩分濃度をある程度保つことで、塩による腐敗菌の増殖の抑制をするのです。
そのため、よく漬けている方のぬか床は、ぬか漬けに塩が付着するので、だんだんぬか床内の塩分濃度は低くなってきます。
そのため、特に注意して塩を入れるタイミングを見ていきましょう。
目安としては、キュウリを漬けても塩味が感じられない時。
この時は塩分濃度が非常に低くなってる可能性があるので、塩ひとつまみをまずは加えてみましょう。
また、種ぬかであるぬか床の塩分濃度は適切であるために生きながらえているので、その種ぬか自体の塩加減を自分の舌で覚えておくと加減がわかりやすいと思います。
自分のぬか床が最適か見極める
ただ、ご自宅にあるぬか床が最適な塩分濃度であるかどうかは、判断が難しいです。昔のご家庭であれば、長年の勘により、舌で判断していました。しかし、現在、どんなぬか床が最適であるか知る機会がないこと。比較することもできないので、難しいのではないでしょうか。
ちなみに、TOCOTOでは、ぬか床にとって、腐敗菌が繁殖しにくい値を塩分濃度(4.5~5.2%)と酸性度(ph3.5~4.2)を定義しています。
こちらの指標を元に、ぬか床10gがあれば簡単にできる、ぬか床の検査キットを提供しています。
老舗漬物屋のノウハウと客観的なデータを元に、現状の診断と今後の処方箋をお伝えしています。
③ぬか床の糖分不足
ぬか床内の菌も生きるためにはエサが必要です。
ぬか床にとって良い、発酵菌が元気な状態でないと、腐敗菌の方が強くなってしまい、腐敗菌が増殖する形になってしまいます。
そのため、良い菌を増殖させるためにも、エサを定期的に与えることが重要です。
そのエサとは、糖分です。
また、食物繊維も多糖類の一部で広義には糖分となります
ぬか床内に入れる糖分として代表的なものは以下になります。
- 野菜:食物繊維
- 米ぬか:糖分
また、この他にも麹や甘みのあるバナナなどを入れる方もいらっしゃいます。
ただ、糖分が高いもの(特にハチミツなど)は、少しの量でもぬか床内にを糖分過多の状態にしてしまい、急激に菌が元気になり、バランスを崩す可能性が高いです。
糖分が高すぎる甘いものを加える際には注意してください。
④ぬか床の水分過多
ぬか床の水分が多すぎる場合です。
ぬか床の水分が多いことによって菌が動きやすくなり、発酵=増殖しやすい環境になります。
発酵菌にとって良い環境ではあるのですが、それは腐敗菌にとっても同じで、腐敗菌を増殖させてしまうリスクも隣り合わせなのです。
一方で、水分量が多い方がより発酵するので、美味しいぬか床になる可能性があります。ぬか床発祥の地、北九州の小倉では、水分量が多いぬか床によるぬか漬け専門店があるのです。
そのため、水分が多い場合には、1日に1回は混ぜるなどしてぬか床内の菌のバランスを保つことを忘れずに行えば大丈夫です。
しかし、そんなに混ぜる頻度をあげることができない方は、水分の量を調節することをお勧めします。
水分が多い場合の対処法はこちらにて説明しています。
ぬか床初心者はこのポイントに注意しよう
腐敗菌を増殖させないために、ぬか床初心者が気をつけるべきことをまとめると、以下になります。
- ぬか床の混ぜ忘れ
- ぬか床の塩不足
- ぬか床の糖分不足
- ぬか床の水分過多
逆を言えば、
- ぬか床を混ぜる
- ぬか床に塩を加える
- ぬか床に糖分を加える
- ぬか床の水分量を調節する
以上を行えば、ぬか床は半永久的に共に暮らすことができ、私たちの食事、そして体や心の支えとなってくれるのです。
そんな食材が他にもあるでしょうか?
ぬか床は半永久的にあなたに寄り添ってくれる
ぬか床は必ず、何か不調があったら、お知らせしてくれています。
そのぬか床の合図に主に、目・鼻・舌をきかせて、自分らしいぬか床との付き合い方見つけていきましょう。
また、そんな勘頼りなところが多いぬか床をあなたに合った暮らしとフィットさせながら、保つために、私たちはテクノロジーの力で解決しようと日々動いています。
自分のぬか床が最適か見極める
TOCOTOでは、ぬか床にとって、腐敗菌が繁殖しにくい値を塩分濃度(4.5~5.2%)と酸性度(ph3.5~4.2)を定義しています。
こちらの指標を元に、ぬか床10gがあれば簡単にできる、ぬか床の検査キットを提供しています。
老舗漬物屋のノウハウと客観的なデータを元に、現状の診断と今後の処方箋をお伝えしています。
もし、何か不安なことがありましたら、LINEの友達登録などしていただいて、質問いただけたらと思います。
また、ぬか床ワークショップやイベントも随時開催していきますので、ぜひ
お話聞かせてください。
それでは、ぬか床と共に、人と菌が発酵し活かしあう社会へ向けて♩
まずは日々のぬか床と向き合っていきましょう。